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菜園体験記

●梅雨は病害虫の季節

ウドンコ病ウドンコ病害虫害虫害虫害虫

話は少し遡りますが、梅雨時に白キュウリがウドンコ病にかかってしまいました。

ウドンコ病とは野菜の葉や茎がうどん粉をまぶしたように白くなる病気です。見れば、葉の表面に白い斑点ができ、ややいじけています。

芽が出た時に、双葉にすでに白い斑点があり、いずれ治るかとも思いましたが、やはり治りませんでした。幸いなことに、他の野菜にはウドンコ病は見られません。

どうしたらいいのか、スタッフさんに伺うことにします。

「土に葉が触れていると、ウドンコ病にかかりやすくなります。罹患した葉を取り除き、支柱を立てて風通しをよくしましょう」

キュウリに支柱をしていなかったのが良くなかったようです。また、キュウリ、トマトなどの野菜はウドンコ病にかかりやすいとか。

殺菌剤を撒いても効果は薄く、ウドンコ病にかかりやすい環境を改善するのが先決なようです。また、広がらないように病気になった葉を取り除くことも大切な作業です。ウドンコ病にかかっている葉を切り落としました。

「もう少し苗を大きくしてから実をつかせた方がいいので、今ついているキュウリを摘みましょう」

キュウリの黄色い花が咲いた後にトゲトゲの小さい実がついています。これが、キュウリの形になっていくんですね。ただし、ウドンコ病のせいか、よじれていじけていました。

「花も摘んだ方がいいんですか?」
「今は摘みましょうか」

トマトにしても、キュウリにしても、ある程度株を大きくしてから結実させた方が、実つきが良くなるそうです。

スタッフさんと一緒に、ひとつずつ丁寧に摘み取ります。

大切な野菜だから、茎を傷つけないように摘み取りたい。ところが、キュウリのトゲが手に刺さり、案外痛いんです。摘んでいるうちに、指先が痛くなります。

ふーむ、美しい花にはトゲがあるというけれど、キュウリにもトゲがあるのです。

地面にほふくしているキュウリのつるを持ち上げて、支柱に8の字に結びつけます。しかし、ともすれば、キュウリは地面に寝たがります。

誘引作業は、無理に立たせている気がしないでもありません。野菜たちも大変なんですね。

地面に横になりたがるキュウリを全員立たせて、風通しを良くしました。

これで、病気が良くなるといいのですが。

キュウリの作業が終わり、次はストリドーロ、スイスチャードなどの葉もの野菜を収穫です。心躍らせて、ミニトンネルを外すと...。

今度は、葉がボロボロになっていました。またしても病気?と思い、よく観察してみると、葉に穴があき、茎まわりに残った葉がギザギザになっています。明らかに、何者かに食べられていました。

「トンネルをしているのに食べられた!」

トンネルを確かめると、地面との間にわずかにすき間があります。ここから、何者かが入り込んだのでしょうか。犯行現場には葉の上に黒いフンが数個ありました。

「この時期は、ヨトウムシ、ハモグリバエ、チョウやガの幼虫の食害に遭います」とスタッフさんの言。

葉の裏を見ると、...いました。

モンシロチョウの幼虫です。私は虫が嫌いではなく、むしろ好きな方ですが、育てている野菜を食べられると、複雑な心境になります。

幼虫を手で捕り、袋に入れました。

これ以上被害に遭わないように、少し早いですが野菜も収穫してしまいます。

梅雨は虫害に遭いやすく、大量に発生し、晴れ間に卵を産みつけるそうです。つまり、野菜の災難時期でもあります。薬を使わないのであれば、一匹ずつ捕殺するしかないでしょう。もしくは、バンカー植物として、食虫植物をいっしょに育てるのも手かもしれません。屋上では、サラセニアがよく育ちます。その場合は、畑に直接ではなく、鉢に植えて腰水をする必要があります。

ちなみに、チッタファームでは虫害対策講座を催しています。

●野菜は人の手が入ってこそ

トマトトマトトマトトマトトマト

旅行から戻って来たその足で、わが菜園に向かいます。しばらくチッタファームに行けず、野菜がどうなっているのかずっと気になっていました。

当たり前ですが、人間の都合に植物は合わせてはくれません。

菜園のトマトは予想通り、伸び放題で、実の重みで支柱が斜めになっていました。

ズボラな管理者ですまないと思うとともに、野菜の力強さに改めて感じ入りました。植物の芽には、板を被せていても持ち上げるほどの力があるといいます。

野菜の細い芽、茎のどこにそんな力があるのか。想像を絶するたくましさです!

感動ばかりしていても作業が進まないので、前回スタッフさんに教えていただいた通りに、脇芽を摘み、誘引し直しました。

トマトは本枝と茎の間から出てくる脇芽を摘み、実をつける力が分散しないようにします。

はじめは「脇芽はどれだろう?」と思いましたが、一度覚えればカンタンです。

主幹と葉の間から出てくる芽が、脇芽です。何度も出てくるので、適時摘み取るのがいいみたい。

中玉トマトの実が大きくなり、もうすぐ収穫できそうです。

一方、一緒に植えたマイクロトマトは、どれが脇芽で、どれが主幹かわからないくらいボサボサになっていました。

根元から辿ると、どれが主幹かわかります。これも経験なのでしょうが、うっかり主幹を切り落としそうになるので要注意です。

からまった枝をほぐし、きれいに脇芽を摘んでいく作業は、いつ見てもレゲエの人を散髪してあげるのに似ていると思います。多分。

ふたたびきれいになった、トマトの苗を見て、野菜は人の手が入ってこそだと改めて感じました。野菜ができるまでに、本当に手間ひまがかかります。

野菜は人の手が入らずして良く育つことはありません。野菜は人間と協力してこそ力を発揮する、改良品種なのです。

植物とうまくつきあってゆくのが、きっと野菜づくりなのでしょう。

この手間ひまを考えると、普段私たちが買う野菜はあまりにも安いと思うことがあります。

野菜づくりは、ものづくりの原点です。私たちの食卓にのぼる野菜は、農家の方々がつくった作品群です。農業は芸術的な仕事だと思わずにはいられません。

木谷美咲(きや・みさき)
木谷美咲(きや・みさき)